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先端拠点形成事業
「ヒトの脳・知性の進化研究拠点 ー意思決定の進化ー」


概要
我々は日常生活のさまざまな場面で選択を迫られる。その際、どのようにして“意思決定”をおこなっているかについては、「人間の理解」につながる極めて重要な問題であり、心理学や哲学、経済学、人工知能などの学問分野に加え、近年では神経科学においても主要なトピックスとして取り上げられている。特に、状況に応じて適切に意思決定をおこなうためには、自身が置かれた環境や過去の経験に基づく社会認知・学習・記憶など多様な要因を分析、統合するプロセスが必要不可欠であるが、これらのヒトが持つ高次機能の神経メカニズムを明らかにするためには、非ヒト霊長類を対象にしたシステム神経科学研究、ヒトと非ヒト霊長類の比較行動研究が必須である。この点においてはドイツやアメリカでは以前から霊長類センターの活動が活発であるが、動物実験に対する制限等もあり、新たな国際共同研究の枠組みを形成しようとする気運が高まっている。我が国では京都大学霊長類研究所が国際研究拠点としての役割を担っていたが、大学内の組織再編に伴って設立されたヒト行動進化研究センター(EHUB)がその役割を継承することを国内外から期待されている。本計画では、ヒトで高度に発達した意思決定を実現するメカニズムの理解を目指して、霊長類を対象とした神経科学と行動科学を総合した国際研究拠点を構築する。我が国はG7で唯一、野生霊長類(ニホンザル)が生息し、実験用ニホンザルの大規模なコロニーも存在する。我が国に霊長類を用いた意思決定に関する国際研究拠点を構築することで、充実した研究環境をテコに国内外から若手研究者を呼び込み、最新の研究成果や実験技術を学ぶ場を与えて、国際的な研究者ネットワークを形成する機会を提供する。
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