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研究成果

ゼナルファはマカクザルにも安全に使えるか? 循環動態から有効性を検証

Can Zenalpha Be Safely Used in Macaques? We Evaluated Its Cardiovascular Effects

26/6/24

 動物の麻酔で広く使用されている鎮静薬メデトミジンは、拮抗薬によって作用を消失させることができるため、鎮静時間のコントロールが容易な薬剤です。一方で、徐脈や不整脈など、循環器系への副作用が生じることが知られており、さまざまな動物種で課題となっています。近年、マカクザルでは心疾患の報告も増えており、循環器への影響を抑えた安全な麻酔法の開発が求められています。そこで私たちは、メデトミジンの循環器系への副作用を軽減する薬剤「バチノキサン」に着目しました。バチノキサンは末梢でのみメデトミジンを拮抗できる薬であり、メデトミジンの中枢での鎮静作用を維持したまま、循環器への副作用のみを抑制できると期待されています。現在、両薬剤の合剤は「ゼナルファ」として犬用薬として販売されています。

 

 当研究所で研究を行う 植木萌葉 さん(理学研究科博士後期課程)、宮部貴子助教、兼子明久専門技術職員の研究では、ゼナルファを用いた麻酔プロトコルを2種のマカクザル、ニホンザルおよびアカゲザルで検証し、京都大学ヒト行動進化研究所(EHUB)で従来使用しているバランス麻酔法のメデトミジン・ミダゾラム・ケタミン(MMK)麻酔と比較して循環動態への影響を評価しました。その結果、ゼナルファを使用した群では、従来法と同等の鎮静効果を維持しながら、メデトミジン投与で問題となる徐脈や、心臓弁における血液逆流の発生頻度を有意に抑制できることが示されました。
本研究成果は、マカクザルにおけるより安全な麻酔管理法の開発につながることが期待されます。


 本成果は、2026年5月14日にJournal of Medical Primatologyに掲載されました。
 

Journal of Medical Primatology

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