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研究成果

ゲラダのゲノムから、過去の気候変動と遺伝子の変動との関連性を読み解く

Gelada genomes highlight events of gene flow, hybridisation and local adaptation that track past climatic changes

24/9/18

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撮影:庄武孝義

 

概要

ゲラダ(Theropithecus gelada)(注1)は、エチオピアの高原に棲息するオナガザル科の霊長類です。草食の霊長類として注目され、これまでに庄武 孝義 名誉教授らが現地調査を行い、サンプルの解析を進めてきました。(注2)


今回、当センターの今井 啓雄 教授とイタリア・パルマ大学らのグループは、新たに南部地域に住むゲラダの全ゲノム解析を行い、南部地域の集団が中北部の集団から隔離された歴史を明らかにしました。また、デンプンを分解するアミラーゼ遺伝子数が南部地域の集団で特徴的に増加していることも分かり、デンプンを多く含む草やその根茎の採食に適応していることが示唆されました。ヒトでもアミラーゼ遺伝子のコピー数が、日本を含むデンプン食が多い地域で増加している傾向が報告されており、草食の進化に関して気候変動や遺伝子の変動との関連が、今後さらに明らかになることが期待されます。
 

注釈
注1:以前は「ゲラダヒヒ」と呼ばれていましたが、現在は「ゲラダ」が正式名称です。
注2:エチオピアとサウジアラビアにおけるヒヒ類の調査

https://www.jstage.jst.go.jp/article/psj/20/2/20_2_137/_pdf/-char/en

Molecular Ecology. 2024;00:e17514.

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